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白と黒の世界を再訪する[福島県金山町・沼沢湖]

· ドローン空撮

「白と黒の世界」。

 奥会津の冬の景色の表現の一つとして、この言葉はとっても似合う気がします。一見寒々しい印象を与えがちではありますが(実際、心底寒い)、しかし、一方でこの言葉には、白と黒で表現できる美しさもあるということを含めています。

 3年前の1月に、初めて沼沢湖を訪問しました。その時は、大雪が降った次の日くらいで、除雪が入っているかどうかが不安でもありましたが、難なくキャンプ場まで行くことができました。

 ただ、とにかく寒い。空撮している間にもプロポを持つ手が痺れるほどに凍えてきて、バッテリー1本分飛ばし終えた頃には、手がかじかんで、次が飛ばせないほどの寒さでした。車に帰って温度計を確認したらマイナス4度。確かにこれでは手も動かなくなるはずです。

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 その3年前の映像がこちら。

 ドローンを始めて1年目で、初の冬、雪、1人空撮だったかと思います。今見ると、もっと上手に撮れたはず!と反省することしきり。そのリベンジの機会が今年となります。

 今回は、防寒対策をしっかりと行い準備万端。寒さは0度程度でしたので、まだまだ本格的な寒さには程遠かった感じです。

 沼沢湖の魅力は、風がない時に湖面に映る山々だったり、その湖面を走る水鳥であったり、ちょっとした冬らしい風景です。ほとんど人が訪れないため、澄んだ冷たい空気に、鳥の声や、木々の触れ合う音、枝に積もった雪が落ちる音などが、妙に近く響きます。

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 湖のように動きのない、そして範囲の広い対象を撮影する際、どのような構図がいいのでしょう。

 今回、2回目の沼沢湖でまず注意したのは、

「引きの画と、寄りの画と、そしてドローンらしい画、この3種類を撮る」でした。

 ドローンらしい画の代表は「真俯瞰」です。さらには、「引き」「寄り」といった場合、その対象となる被写体がなければいけません。このだだっぴろい湖で何を対象にするのか、これによって、「真俯瞰」「引き」「寄り」の画が活きる、そう考えました。 

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 2つめの注意点は、

「動きのある画」です。

 動きのない被写体に動きをつける。これは難しいです。

 1つは、やはり、対象物です。これを決めて、なるべく寄りの画にしてドローンを真っすぐに動かす。こうすると、湖のような大きな被写体が動かなくても、対象物の大きさや位置が画角の中で大きく変わり、動きをつけることができます。

 もう1つは、編集時の工夫になりますが、再生スピードのアップです。ただ、これをやってもそんなに大きな変化が出ない場合もあります。沼沢湖の場合は、湖面に近い位置で、湖面に貼られたロープや、さざ波、水鳥などの位置が一気にスピードアップで移動することで、動きをつけることができます。

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 このようにして、動きのある映像をいくつか作り出し、その上で静止画にも近いスローな画を入れる。このメリハリで映像を編集してみると面白くなるのではないかと思います。

 スローな止まっているような画も、早送りでスピードアップする画も、ドローンの基本的な撮影スピードは、可能な限りゆっくり滑らかに、カクつきがないように撮影します。この技術がまだまだなのですよね。精進あるのみです。

 そんなことに注意しながら撮影した、2回目の沼沢湖の映像がこちら。

 白と黒の世界について、まだまだ勉強しながら、映像美を追い求めていきたいです。